スタチン系薬剤比較表一覧【使うときの注意など】
脂質異常症の治療のために処方される薬に、スタチン系薬剤があります。
スタチン系薬剤の特徴、すべてのスタチン系薬剤の特徴や注意点についてまとめました。
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目次
スタチン系薬剤とは何か
スタチン系薬剤とは、肝臓内や小腸内で行われているコレステロールの合成を抑制する薬剤です。
人間の体内では、コレステロール合成の50%は肝臓で行われます。
このほか、小腸で15%、皮膚で35%合成されています。
スタチン系薬剤は、肝臓でコレステロールを合成するHMG-CoA還元酵素の働きを抑制する働きがあります。
HMG-CoA還元酵素の働きを抑制することにより、肝臓内でのコレステロールの合成量が下がります。
総コレステロールを下げることにつながるほか、スタチン系薬剤は血流を改善したり、炎症を抑制する抗炎症作用などもあることが報告されています。
コレステロールが高いことによって懸念されるのは、動脈硬化発症リスクの上昇です。
脂質異常症になると血液凝固と炎症を高めてしまうため、血管はもろくなり、血液は血管壁に付着して、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクを高めます。
スタチン系薬剤は、脂質異常症の原因ともなるコレステロール量を抑制することによって脂質異常症を改善する効果があるのです。
スタチン系薬剤は2種類あります。
軽症の人に処方される「スタンダードスタチン系薬剤」と、比較的重症の人に処方される「ストロングスタチン系薬剤」です。
ストロングスタチン系薬剤のほうがLDLコレステロールを低くする効果に優れています。
スタンダードスタチン系薬剤

メバチロン(ブラバスタチンナトリウム)錠
スタチン系で唯一の水に溶けるスタチン剤です。
肝臓や小腸でコレステロールが合成されるのを阻害する働きがあります。
他のスタチンに比べ、水溶性のために腎臓経由で排泄される割合が高くなっています。
ジェネリック薬品では「プラバスタチンNa錠10mg「EE」」「プラバスタチンNa錠5mg「サワイ」」です。
ローコール(フルバスタチンナトリウム)錠
ビタミンEと同程度といわれるくらい強力な抗酸化作用を持っています。
最大1日60㎎の投与まで認められています。
脂溶性で肝代謝のため、肝障害がある方は使うことができません。
ジェネリック薬品では、「フルバスタチン錠20mg「サワイ」」「フルバスタチン錠30mg「タイヨー」」があります。
リポバス(シンバスタチン)錠
アゾール系抗菌薬(イトリゾールなど)とは一緒に使えません。
他のスタチン錠は5mgと10mgの2規格ですが、リポバスはこの上にさらに20㎎という規格があります。
さらに強い脂質低下効果があります。1日20㎎以上の投与は認められていません。
グレープフルーツ(果実でも、ジュースでも)と一緒に飲んでしまうと、血漿中の薬剤濃度が上がってしまいます。
数倍に及ぶ濃度上昇も見られることから、リポバスを飲んでいる時はグレープフルーツは避けてください。
ジェネリック薬品では、「シンバスタチン錠5mg「EMEC」」「シンバスタチン錠10mg「日医工」」などがあります。
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ストロングスタチン系薬剤

リピトール(アトルバスタチン)錠
服用1時間ほどで、コレステロールの合成を抑制する作用が現れるという報告があります。
作用が強いので、肝代謝機能障害や肝機能低下のある方には使えません。
グレープフルーツやジュースとの併用で、血漿中の薬剤濃度が上昇する危険性があります。
100人に8人は、胃部不快感・掻痒感・手指のしびれなどの副作用がみられます。
ジェネリック薬品では、「アトルバスタチン錠5mg「EE」」「アトルバスタチン錠10mg「日医工」」などがあります。
リバロ(ビタバスタチンカルシウム)錠
ストロング系スタチン3種類の中で、唯一血糖上昇のリスクが少ない薬剤です。
ストロングスタチン系の薬剤は血糖値を上昇させ、糖尿病になるリスクを上げてしまうというデメリットがあるのですが、リバロにはそのリスクが少ないというメリットがあります。
シクロスポリン(ネオーラルなど)系薬剤との併用はできません。
ジェネリック薬品では、「ピタバスタチンCa錠1mg「EE」」「ピタバスタチンCa錠2mg「サンド」」などがあります。
クレストール(ロスバスタチンカルシウム)錠
まだジェネリック薬品が発売されていない薬です。
LDLコレステロールが高く、脂溶性のため胆汁排泄されます。
そのため、肝機能に障害があったり、肝機能が低下している方は使うことができません。
混合スタチン系薬剤

カデュエット配合錠(アムロビジン・アトルバスタチン)
カルシウム拮抗薬であるアムロジピン系、アトルバスタチンの配合錠です。
血圧を下げたり、狭心症の発作を起こしにくくする働きがあります。
肝臓でのコレステロールの合成を阻害する効果は、リピドールと同様です。
脂質異常症と狭心症、高コレステロール血症や家族性コレステロール血症などを併発している場合の治療に使われます。
スタチン系薬剤を使うときの注意

全てのスタチン系薬剤は、中性脂肪を下げる目的でつかわれることの多いフィブラート系薬剤と一緒に使うことはできません。
フィブラート系薬剤と一緒に使うことにより、腎機能が低下して「横紋筋融解症」という副作用が起こるリスクが高まります。
妊婦さんにおいては、おなかの赤ちゃんの生存率の低下と、発育の遅延が認められていますので投与することができません。
肝障害患者、アルコール中毒患者、腎障害患者、腎障害既往症のある人に処方するには医師の注意深い管理が必要です。
体内でのコレステロールの合成を減らすと同時に、CoQ10(コエンザイムQテン)の生成量を減らしてしまうという働きもあります。
CoQ10はミトコンドリア内の活性酸素を除去してくれる物質で、体内で作られます。
20歳を境に加齢とともに低下していく物質ですが、細胞のエネルギー源となる物質を作り出す働きがあり、不足しすぎると老化現象が早く起きてしまう可能性もあります。
横紋筋融解症のほか、劇症肝炎、肝炎、肝機能障害や黄疸などが起きることもあります。
糖尿病や高血糖の発症リスクを上げてしまうこともあります。
医師の処方をきちんと守り、自己診断で薬の量を増やしたり減らしたりすることは絶対にやめましょう。
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2018/06/08